AI文字起こしツールをお探しですか? 人気のAIツールを比較・総合評価した本記事を読んでいただければ、貴社にぴったりなものが見つかります。
本シリーズのPart1では、4つの文字起こしツールの比較・紹介をしました。そのうち3つは文字起こしに特化したツールであり、ユーザーがファイルをプラットフォームにアップロードし、AIモデルが文字起こしを行うのを待つスタイルです。
しかし実際のビジネスシーンでは、文字起こしのみを必要とするケースは非常に少ないです。ほとんどの場合、社員は文字起こしファイルを作成するだけでなく、そのファイルに基づいて共同作業を行うことが求められます。
他のメンバーからの承認やフィードバックを得るために文字起こしファイルを自動で共有したり、重要なアクションアイテムについて確認・調整したり、特定の部分にコメントを付けて議論したり、説明を受けたりする必要がある場面は多いはず。Part 2 となる本記事では、共同作業を強化する付加価値機能を提供する文字起こしツールを4つご紹介します。
このようなツールは、チームのワークフローにより深く関わるため、最適なものを選ぶことが大切です。
長所
Google Meet、Zoom、Microsoft Teams、その他会議ツールと連携できるFireflies.ai。会議内容を自動で文字に起こしてくれるほか、タスクなどの重要事項をAI検索で特定することができます。また、コメント、ピン、サウンドバイトを活用し、Loomのようにこれらを他の社員と共有することも可能です。会議プロセスを効率化してくれる優秀なツールです。
Fireflies.aiは発言者の特定に加え、各発言者の時間、感情、その他の分析に関するデータを提供。これらを活用すれば、会議の進め方を改善できるかもしれません。このような堅実な機能を備えたFireflies.aiが、すでに10万以上の組織に利用されているのも納得です。
短所
人気ソフトウェアレビューサイト G2 では、複数のレビューで同じ問題を指摘されているのが見受けられます。あるユーザーは、議事録のように要約機能では多くのアクションアイテムを作成されるので逆効果だと不満を述べています。「自分で書き起こすより、テキストを解読し、その意味を理解しようとするのに多くの時間を費やしている」と言う人もいます。
また、bot を会議に招待しているのに参加せず、発言者を誤認し、異なるアクセントの文字起こしでトラブルがあったとの指摘もありました。Fireflies.ai が知識ベースの構築を試みていることを考えると、これらは改善点であるといえます。
長所
Fireflies.ai 同様、Otter.ai はオンライン会議での議事録的役割を担います。このモデルを使うことで会議のメモ書きや要約が最大30倍速く行えますし、他の会議ツールとの連携もできます。特筆すべき機能として、現在進行形で行われているオンライン会議の要約機能が挙げられます。遅れて会議に参加した時に非常に役立つ機能です。要約を読めば、他の人に説明をお願いしなくても、残りの会議にすぐに参加できます。
精度の高い文字起こし機能と、営業などその他業務をターゲットとした機能が魅力のOtter.ai。例えば、BD は Otter.aiを使ってフォローアップメールを自動化することで、クライアントとの関係構築や取引交渉など、より重要なプロセスに時間を割くことができます。
短所
無料版はありますが、企業が必要とする機能のほとんどは有料版でのみ利用可能です。ビジネス向けのプランだと1ユーザーにつき月額30米ドルかかります。しかし、このような営業活動に役立つ利用状況分析は他のソリューションがすでに低額で提供しています。
また、G2では、招待していないにもかかわらず、勝手にオンライン会議に参加するというプライバシーの問題に関するクレームが複数ありました。他にも、見積もり以上の金額を請求されたとの指摘もありました。
長所
trintのもつ圧倒的な強みは、40言語をカバーし、最高99%の正確さを持つ文字起こし機能です。この素晴らしい正確さに加え、文字起こしファイル内を検索し、エラーがあった場合は再生して確認、必要に応じて編集することができる機能も備えています。また、ドライブ間で共有されるアクセスや、ハイライトやコメントなどの機能により、ユーザーはリアルタイムで共同作業を行うことができます。他の製品と比較して、trintはセキュリティにも重点をおいています。すべてのサーバーを米国または欧州連合に設置し、ISO27001認証を取得しています。
短所
trintは、AIを活用した文字起こしツールとして販売されています。しかし、創業者であるジャーナリスト、ジェフ・コフマンの影響か、ストーリーテリングのユースケースに重点を置いているという点が挙げられます。例えば、ユーザーは文字起こしのファイルから記事やポッドキャスト、その他コンテンツに引用できるような編集機能があります。このような機能は編集に携わる方には便利ですが、一般的な共同作業機能を求める場合にはあまり意味がないかもしれません。
実際BBCやワシントンポスト、AP通信、フィナンシャルタイムズ(FT)やロイター通信といった大手メディアがクライアントなので、製品機能がメディア向きなのも分かります。
長所
Vocol.ai はこれらのソリューションの先駆けと言えます。文字起こしツールではなく「音声合成プラットフォーム」と位置づけられており、 音声と音声ファイル両方の文字起こしが可能で、発言者を識別し、句読点を自動で打ってくれます。対応言語は日本語、中国語、英語です。一番の売りは、AIを活用して要約、トピック、アクションアイテムを作成してくれる上に、25以上の言語へ翻訳可能だという点です。これらの機能は生成AIを利用しており、作成される要約やアクションアイテムは正確かつ的確。会議参加者や他の社員が要点を把握し、足並みをそろえて次のステップへと進むことができます。
他の文字起こしツールに比べて、Vocol.ai の共同作業機能は幅広く、様々なビジネスの形に対応しています。ファイル共有機能や、ハイライト、コメント、タグ機能も付いています。堅実な機能を兼ね備えたVocol.aiですが、実は今回ご紹介するツールの中で最もお手頃価格なのも魅力の一つ。無料の基本プランの他、クレジット使用量に応じて料金が発生する有料版があります。クレジットは使い切った際に追加購入できます。機能を有料版にのみ提供したり、必要最低限の機能しか使えない無料版を提供するソリューションと比較すると、良心的な料金システムといえます。
短所
限られたユースケースの仕事(専門家へのインタビュー記者など)の場合、Vocol.aiの付加価値機能は必要ないかもしれません。リモートやハイブリッド会議において多様性に溢れダイナミックな共同作業を行う企業に向いているツールです。
さらに、良心的な料金システムが徒になることも考えられます。他の高額なツールに比べ、Vocol.ai は機能が少ないと考える経営者もいるかもしれません。そうでないことを示すために、徹底的な調査と他のツールとの比較を行う必要があります。
優れたAIモデルが出現し、活用方法が多岐に渡ろうとする中、文字起こしは最初の一歩に過ぎません。ソフトウェア・ソリューションは電子メールの受信箱を逼迫するのではなく、これらのファイルに基づいて、組織やチームがどのように共同作業できるかを強調しなければなりません。
この点で、次世代のツールは大胆に攻めていますが、ゴールの達成とはなかなかいかないようです。しかし、丁度よい価格と機能を提供するVocol.aiの文字起こし機能と共同作業機能は、事業サイズ、種類、立地を問わず利用できます。また様々な形のニーズへの対応力もあります。他にも機能は追加する予定ですが、Vocol.ai は文字起こしと行同作業の両方で成功したいビジネスにとって、一番いい選択肢だといえるでしょう。
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